マカオカジノ「メルコ・クラウン・エンターテインメント」の日本戦略
日本におけるカジノ合法化が近づいてきた。
マカオのカジノ関係者も、日本のカジノ解禁に関しては高い関心を示している。
そのような中、マカオから日本のカジノマーケットへの進出を本格的に考えている企業も少なくない。
メルコ・クラウン・エンターテインメントのCEOである、ローレンス・ホー氏もその一人である。
ローレンス・ホー氏はマカオカジノ王のスタンレー・ホー氏を父に持つ1976年生まれの若き企業家である。
マカオ6大カジノ企業経営者の中では最も若く、また勢いがある。
メルコ・クラウン・エンターテインメントの旗艦施設である「シティ・オブ・ドリームズ」は、絢爛豪華な装飾を施している他の施設とは違い、洗練された都会的でポップな印象を受ける。
また、巨額と2年以上にわたるリハーサルを重ねて公開した「ザ・ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター」を見事成功させたことでも知られている。
若さと先見性と経営手腕は、同業者のみならずマーケットから高い評価を得ている。
そんな、ローレンス・ホー氏がマカオ・アジアの現状と日本マーケットに関する方向性を発表した。
以下、そのスピーチ内容を掲載します。
ローレンス・ホー氏が語るマカオカジノ市場と発展、日本との関わりについて
マカオのカジノ市場は2002年のカジノライセンス開放以来、好調に成功を続け、カジノだけでない観光都市へと変貌を遂げることが出来ました。
急速に発展するアジアの消費者マーケットの要求を満たし、中所得者向けのビジネスを拡大できたことは大きな成功です。
カジノとエンターテインメントの融合としての成功が、アジア全体へのカジノの拡散に拍車をかけた。
現在では、ラスベガスの7倍もの収益を誇るようになり、マカオはアジアのエンターテインメントにおける人気観光地となった。
メルコ・クラウン・エンターテインメントは、アジアにおけるカジノ及びエンターテインメントのリーディングカンパニー的存在であると位置付けている。
マカオカジノ6大企業の一角として、2009年にIRである「シティー・オブ・ドリームズ」を開業させ、一級品のレジャー及びエンターテインメントを提供している。
2010年には、250億円を超える投資と構想5年間、リハーサル2年間をかけた「ザ・ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター」の上演を開始した。
世界でも類がない独創的なエンターテインメントは爆発的な人気を誇り、すでに200万人を超える観客動員数を誇る。
また、メルコ・クラウン・エンターテインメントは新たな五つ星ホテルの開業を2016年の後半から2017年前半に予定している。 と同時に、映画をテーマにした「スタジオシティ」を2015年中旬に開業を予定している。
メルコ・クラウン・エンターテインメントは、マカオ国内だけでなく、アジア市場にも同様の成功モデルの構築を検討している。
特に、日本はIR分野で最も理想的であると語っている。 日本の人口規模とシニア世代の富裕層の多さは格好である。
日本においてはカジノだけでなく、ノンゲーミング分野でも大きな成功を収めることが出来ると、同社は見ている。
2020年に東京オリンピックの招致を成功させたことは、インフラ設備やエンターテインメント施設の建設を加速させ、大量に訪日する観光客をもてなすという大きな需要を満たすと考えられる。
メルコ・クラウン・エンターテインメントは、営業拠点をマカオ、オーストラリア、その他アジア地域に持ちそれぞれで成功してきたノウハウがある。
それを日本の文化とうまく融合させ、成功させる準備は整っている。
IR開発はアジアにおける日本の観光地としての魅力を最大限に引き上げ、巨大な需要を生み出し、日本全体の経済成長へ貢献できると、メルコ・クラウン・エンターテインメントは考えている。
同社が日本へ本格的に進出してくる日は、近いのではないか。
(参考)カジノジャパン2014vol.29