日本人カジノディーラー・北垣智之が語るカジノの現状

北垣智之

これまで、世界各地のカジノのディーラーを経験され、長期にわたり『カジノ業界』に携わってきている北垣さんをお招きして『カジノ』のお話を伺いたいと思います。現在における世界のカジノの現状と日本におけるカジノ合法化へのご意見をインタビューしました。
非常に興味深いお話をまとめましたので、皆様じっくりとご覧になってください^^

 

 

 

 

それでは簡単に自己紹介をお願いいたします。

僕はね、昔はずっとサラリーマンやってまして、2003年頃に日本でもカジノが合法化されるといった話になった時にやはりこういう業界でやってみたいなということで2005年から東京にある日本カジノスクールへ入学し、半年で卒業後、ラスベガスのディーラースクールへ通い2008年に韓国セブンラックというカジノで正式なディーラーのトレーニングを積みました。
帰国後、日本にカジノディーラーズ協会という所がプロのディーラーに対してライセンスを発行しており、そのライセンスを取得しました。
その後は大阪でカジノのイベントや専門学校でマナー講座などを教えていましたが縁がありディラースクールをオープンしたという経歴を持っています。

世界中のカジノを回られたんですか?

そうですね、21歳の頃にカジノを覚えて、その頃は韓国とか、近場へよく行ってたのですがアメリカへ留学したのをきっかけにロサンゼルスにもカジノがありましたし、ラスベガスとかにもよく行きました。
サラリーマン時代はヨーロッパ方面やニュージーランド、マカオといった所へカジノをしに行っていました。

最初に持っていたカジノに対する印象と実際にカジノを見て回ってからの印象とは変わりましたか?

そうですね、カジノというと本当にギャンブルという印象が強かったのですが実際にラスベガスなどへ行くとカジノをやる時間の方が少なくてそれ以外に遊ぶ事がたくさんあってエンターテイメントの街というように言われていてプールで遊んだりショーを観たり遊園地に行ったりとそういった中にカジノがあるという印象ですね。

カジノってどんなお客さんが来てるんですか?

日本でギャンブルというとパチンコとか競馬のイメージが強いのでおじさんが多い印象ですが、ラスベガスなどに行くとファミリーとかですね。
今のカジノというのは複合施設になっているのでそのカジノの中にショッピングモールとかレストラン、アトラクションが併設されているので家族でカジノに遊びに行ってお父さんはカジノをしている間にお母さんは買い物をして、子供はアトラクションで遊んだりといったように皆で楽しめるようなのが今のラスベガスのカジノスタイルですね。

ヨーロッパやアジア各国もカジノが発展してきていますがすべて「観光リゾート」というコンセプトでやっているのですか?それとも地域ごとに違うのでしょうか?

そうですね。やはり地域ごとに違う、これも文化ですねカジノの。
ヨーロッパなどに行くと昔はもともと貴族の遊びとされていたので、非常に格式高いイメージがあって、皆がよくイメージするドレスコード、タキシードを着てドレスアップして行く様なカジノ、そういった文化が多いですね。
一方、今のラスベガスとかマカオ、シンガポール等ではアイアルリゾートと言われていてカジノ付きのリゾート施設ということで一大レジャーですね。
そういうカジノに行くと本当にショーを観たり食事をしたり買い物をする時間が多くて夜にカジノがあるからちょこっとカジノして遊ぼうかというイメージですね。
世界のカジノはそういうファミリー向けのテーマ型カジノがスタンダードになってきていて日本でカジノをやる時もそういう方向で検討されていますが今後どんどん世界にもレジャーとして、エンターテイメントとしてのカジノが作られて行くと思いますね。

実際に海外のカジノに行けば分かると思いますがマフィアとか危険な事は無いですね。

世界のカジノというのはライセンス制になっていて、しっかり監査機関が管理しながら運営しているのでマフィアの介入は難しいですね。
特にラスベガスなどに行くとマフィアの一切介入していない街という事でも有名ですからセキュリティがしっかりしているので逸脱したり違反を犯すとカジノのオペレーションや運営企業もライセンスを剥奪されるという大きいペナルティを受けますから健全にやっています。

「セキュリティ」という話がでましたが例えばディーラーなどの現場レベルでもしっかりしていますか?

そうですね、僕もカジノスクールやラスベガスのディーラースクールで勉強をしましたが目からウロコですね。
僕も最初は皆さんと同じでディーラーってゲームを操作したりイカサマするのが仕事かなと思っていたんですが実際は本当に真逆ですね。
ディーラーというのはカジノに行くと日本ではエンターティナーというお客さんを楽しませるそういう仕事のように思われますが本当はは銀行員に近いですね。
銀行員寄りの装飾業ですね。
ですからディーラーというのはディーリングの技術だけではなくてセキュリティの訓練の方が重点を置かれます。
例えばチップの触り方とかチップの並べ方、チップを並べた後のコーリングとかアナウンスの仕方、そういう世界で全て統一されている様なところがあってそれが苦労しているんですね。
カジノの中でもディーラーを管理する上のボスやスーパーバイザーとかフロアーパーソンとかディーラーを管理するボスが居てその上にピットボス更にその上にシフトボスという監視の連鎖と言われています。
ディーラーの上のスーパーバイザーはディーラーの不正をずっと監視しているんです。
スーパーバイザーはピットボスに監視されピットボスはその上のシフトボスに監視されるという事で先ず身内の不正を監視します。
更にセキュリティ部門は天井や廊下につけているカメラ、監視カメラでテーブルと人の動きをずっと監視しています。
監視体制を本当に強化、日本の原発以上のセキュリティシステム、そういう風に言われています。
さっきも言ったようにディーラーというのはエンターティナーというよりも実は銀行員に近い仕事なんですよという事で、カジノに入って行くとチップを使いますよね、チップっておもちゃに見えますけれど、あれは一歩カジノの中に入って行くとれっきとした現金と同じですね。有価証券ですね。
ディーラーという仕事は毎日それを素手で触る、そういう責任重大な仕事ですからそれなりのセキュリティという教育が本当にしっかりしているんですね。
で、例えばディーラーがお客様のチップをくすねる様な行為、これは窃盗罪で逮捕されますし、逆に自分の所の手元にあるチップをポケットに入れて変えようものなら横領罪として逮捕される位、重要な犯罪になりますからすべてのディーラーはそういった事を心得て仕事をしています。
だからお客様に対してイカサマをするとか不正行為を行うという事は自分の立場も失うという意味でも気を付けてやらないようにしていますね。

デーラーは、そういった重い責任を持ったただの「進行役」ではなく「エンターティナー」としてお客様を楽しませる面もあるわけですよね?

当然ですね、はい。
ディラーの技術とセキュリティーというのはディーラーに於いて最低限のスキルなのでそれ以上の事、優れたディーラーというのはお客様を楽しませられる、カジノというのはギャンブル行為ですよね、勝った、負けたというものは必ず付き纏いますから。
で、一流のディーラーというのはたくさん負けたお客様がそれでも楽しかった、ありがとうと、そう言って帰ってもらえるディーラーというのはやはり世界でも一流という風に言われていますね。
ディラーもイライラしますからね。
デーラーもやっぱり人間ですから。
ゲームやっててこうね、お客様が負けてるのを当たられるとやっぱりそのストレスがありますからそういうのを顔に出さず無心でやる事がデーラーの一つのコツだと思います。

スロットのセキュリティもしっかりしていますか?

そうですね。カジノにはテーブルゲームの他にマシーンゲームとかあって日本のパチンコやパチスロとは違って海外ではRNG(アールエヌジー)と言うマシーンゲームで使われる特有のシステムが導入されているんです。
で、このRNGというのはランダムナンバーズジェネレーターというシステムで宝くじと同じようにたまたま座ってお金を入れて回した台が当たったという、本当にラッキーなシステムです。
だから、日本のパチスロみたいに目押しが効かないんです。
この台の設定が良いとか、この台が当たりにくいとかそういう事もなく皆が公平に当たるチャンスがあるというという基準が設けられているんです。
カジノのオペレーター、運営会社の方はランダムナンバーズジェネレーター、RNGを逸脱すると、これは定期的に監査が入っているので営業停止や指導といったペナルティーを受けるのでこの辺も厳しく運営されていますね。
で、このRNGは世界全て共通のシステムなので世界に置かれているスロットマシーンの効果というのはRNGが全て導入されています。

 

>>”北垣智之が語る日本人カジノ旅行者” へ続く

 

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