韓国カジノの歴史と今後の課題とは?

韓国カジノ

 

日本人にとって、最も身近にあるカジノといえば韓国カジノである。

 

1990年代の終わりから韓国カジノは事業拡大を目指し、大規模な再開発事業を行ってきた。

 

国が先導を切り、外貨獲得のためのカジノ誘致を盛んに繰り広げられてきた。
その結果、現在では外国人専用の韓国カジノが16箇所に増え、2013年には約2,500億円の収入を見込むまでに成長した。

 

 

韓国カジノホテル一覧(外国人専用)

ソウル(3箇所) シェラトン・グランデ・ウォーカーヒル、セブンラック江南、セブンラック江北
釜山(2箇所) セブンラック釜山、パラダイス釜山
仁川(1箇所) パラダイス仁川
江原(1箇所) アルペンシア
大邱(1箇所) ホテルインターブルゴ大邱
済州島(8箇所) 済州グランドホテル、ラマダプラザ、ロッテホテル・チェジュ、新羅ホテル、ハイアットリージェンシー・チェジュ、オリエンタル、ローヤルパレス、ゴールデンビーチ

 

 

しかし、一見華やかで活況に見える韓国カジノは、多くの問題も抱えている。

 

既存のカジノの多くが赤字経営で、更にカジノ中毒者も出ているということ。

 

ただ、これらの問題はカジノそのものとは別に、韓国の政治や社会が抱える構造的な問題が大きく関与している。

 

これから合法化を目指す日本にとっては、良い意味でも悪い意味でもカジノビジネスの先行例となる韓国カジノ。

 

その韓国での様々な試みを、『陰と陽』の部分から探ってみる。

 

 

 

 

 

 


韓国カジノ建設と外貨獲得

韓国カジノ

 

1967年、当時の韓国大統領・朴正煕(パク チョンヒ)は最貧国であった韓国に経済成長をもたらそうと外貨獲得を目指した。

 

日本との国交正常化を決定したちょうどその頃、韓国で初めてカジノが開業した。

 

第一号は『仁川オリンポスホテル』。
その翌年に『シェラトン・グランデ・ウォーカーヒル』が開業し、韓国内で2つのカジノ施設ができた。

 

 

カジノが開業してから、日本やアメリカからの外貨を獲得する一方、カジノという社交性の高いギャンブルのため、ウォーカーヒルでは開業時より外国人専用として営業されていた。

 

 

第一号の仁川オリンポスホテルにおいては、会長が闇カジノ運営に携わっているとのことで摘発され、その他様々な不正が発覚。激怒した朴大統領は、カジノ開業から2年後の1969年には韓国人は全ての韓国内のカジノへ立ち入り禁止となってしまった。

 

 

1970年〜1990年にかけてはソウル以外地域にカジノ建設ラッシュとなり、現在では外国人専用カジノが韓国内に16ヶ所に及んでいる。

 

 


韓国人へのカジノ開放がもたらす経済効果とその裏側

韓国カジノ

 

1967年に韓国で初めてカジノが開業して、その2年後に韓国人が自国のカジノ遊戯を禁止されてから31年後の2000年、韓国人が自由に遊戯できるカジノが出現する。

 

 

江原ランド』 と呼ばれる、韓国の山岳地帯に建設されたリゾート施設である。

 

2010年10月に開業して以来、その規模は拡大され、現在スロットマシン約1,000台、カジノテーブル約100台あり、韓国内最大規模のカジノ施設となっている。

 

カジノ以外にも、ゴルフ場やスキー場などが建設され、総合リゾート施設として多くの韓国人が訪れている。

 

 

30年もの間、カジノを封印され続けていた韓国人にとって、江原ランドの開業は大盛況となった。

 

もともとギャンブル好きの韓国人、開業初日から溢れんばかりの韓国人が押し寄せ、1年目で約171億円もの利益をあげた。

 

それは、カジノだけではなく周辺商業施設や地元雇用など、韓国経済における多大なる貢献をしたとの評価がある。

 

 

韓国内で多数のカジノホームレス

韓国人はその国民性が非常に陽気で楽観的であり、あまり先のことを気にしないと言われている。

 

江原ランド開業の熱気の裏で、様々な問題が露呈している。

 

  • カジノ中毒による『カジノホームレス』の出現
  • 闇金融業者からの借り入れによるトラブル
  • 借金による自殺者の出現

 

その中でも、カジノホームレスは大きな問題となった。

 

 

韓国各地法より江原ランドに集まってくる人たちの中には、カジノに熱中するあまり家に帰ることを忘れ、ホテルを泊まり歩き、挙句の果てに全財産使い果たし、家に帰れなくなってしまうという人達が、最大で約5,000人以上いると言われていた。

 

 

このような一連の問題対策として、江原ランドはカジノ中毒者の出入りを制限したり、営業時間やベッティング料金の制限したりと細かい取り決めをしている。

 

その結果、5,000人以上のホームレスが、2013年には約500人と激減したが、対策はまだまだ必要であるといえる。


韓国観光公社がカジノ運営に進出

 

韓国内のカジノで、ソウル以外の地方カジノが苦戦している。

 

その理由の主だったものは、多額の掛金を投じるVIPプレーヤーが地方には行かないためである。

 

中国や台湾、日本からの外国人VIPは、交通の便や観光に便利なソウルに集中しているのが現状である。

 

 

そのような中、韓国の政府観光局である韓国観光公社が、2005年に子会社としてグランドコリアレジャー(GKL)を設立。翌年にはソウルに2箇所、釜山に1箇所、外国人専用のカジノを建設した。

 

 

それ以前は、ソウルと釜山には1箇所しかカジノが無く、独占状態であったので、その壁をぶち破り、カジノ業界に競争体制を導入し、その収益で韓国内観光インフラの構築に使用する、目的があると説明している。

 

 

 

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