マカオカジノが本格IR(統合型リゾート)化へ
カジノの売り上げが、瞬く間に世界一に上り詰めたマカオ。
中国富裕層の膨大なカジノマネーを動かすマカオの現在のカジノテーブル数は約5,500台で、今後新規カジノテーブルの追加承認を検討する際、各カジノ企業の新プロジェクトにおける、カジノ以外のIR(統合型リゾート)への投資額に応じて追加カジノテーブル数を決めると、マカオ特別行政区政府のフランシス・タム氏が発表した。
それ以来、マカオでカジノ投資をしているゲーミング会社は、こぞってIRに関する計画を発表している。
マカオがカジノだけの国ではなく、カジノだけに依存しないリゾート都市を目指している事が明らかになった。
1999年にポルトガルから中国へ返還され、中国の特別行政区となったマカオ。
中国政府との闇のつながりがあることも報告されている。
一部報道では、マカオのあるカジノ仲介業者にマネーロンダリングの疑いがあり、捜査されている。
ここ最近のマカオのカジノ売上における、VIPの比率が徐々に低下してることを受け、この件による大きな影響は無いと見られている。
マカオカジノが活況で、今後マカオが統合リゾート化してくると、別の問題が発生する。
それは人材不足である。
そもそも労働人口が少ないマカオでは、労働ビザの必要ないマカオ人の雇用は売り手市場となる。
カジノ企業を中心に積極的な人材獲得策を打ち出す中、より給与水準が高いカジノ関連企業に人材が集中する傾向にある。
ここ10年間でマカオ人の平均給与は約2倍にまで膨れ上がっている。
日本人に置き換えてみると、なんともうらやましい限りであるが・・・
カジノ企業とは裏腹に、小売業や飲食店では深刻な人材不足に頭を悩ませている。
マカオのカジノ対外開放から10年が経ち、だんだんと歪みが目立ち始めている。
しかし、マカオ政府がしっかりと自己統制を行い、カジノで働く人達も臨機応変に社会の変化に対応している点が、何と言ってもマカオの強みではないだろうか。
新興カジノ都市がマカオに追いつけないのは、そう言った強みを代々に受け継がれ、更に強固になっているからであろう。
世界のカジノは、しばらくマカオ中心で動くであろう。